朝、船底で寝ていたAOZORAは
大きい波による揺れに目を覚ました。
二等席のDデッキで他の乗客と
ギュウギュウ押し寄せて寝たせいか、
身体中…特に腰が痛くなった。
私は背を思いっきり伸ばしたく、
甲板へ向かった。
そこには昇り始めた太陽が真っ暗だった海を青く照らしていた。
太陽が出ている方の反対側に目をやると水平線から虹が
伸びていた。
この広い海原の真ん中で、この神秘的な現象を
拝められるなんて、まるで父島へ訪れる私たちを
祝福しているように思えた。
ほどなくして、やっと父島へ到着した。
船の先頭には人がたくさん集まり、歓喜の声を上げていた。
竹芝残橋から出向して25時間の船旅は
ひとまず終わった。
次はレンタルバイクを借りにお店へ向かった。
そして、そのお店の人にこう言われた。
「やっぱり、満員でした…」
「やっぱり」とは?
次回へ続く!